ペテン師の恋

着替え終わると、寝ている私に向けて、応答を求めない言葉を語り始めた。








「自首してくるよ。全て償う…例え、何年前かの罪でもな。



そう、前向きに、人としての気持ちを教えてくれたのは朱美だった。



待っててくれなんて言えない…。でも、戻ったら必ず一番に、君に会いに行く。約束するよ」








私は、心の中で、朱一の名を呼び続けた。何度も声にできない声を、伝わるように無音で呼んだ。









「朱美、愛してる。ありがとう」








朱一は、最後にそれだけ言うと、部屋を出ていった。









今なら、止めれるかな…








今なら、また抱き締めてくれるかな









ねぇ、行かないで…








独りになりたくないよ








朱一と一緒に居たいよ








朱一…朱一…









言葉にできない言葉を、心の中で叫び続けた。