ペテン師の恋

幸せに包まれていた。








私たちは、快楽を迎えたあとも、同じベッドで余韻に浸っていた。









朱一の大きな手が、私の頭に優しく触れている。








「こんなつもりじゃなかったのにな…」








ポツリと朱一は呟いた。








「私は、ずっと、望んでいたわ」








朱一が罪悪感を感じていることが、痛いくらい伝わってきた。








「始めは、無理矢理にでも犯して、めちゃくちゃにしてやろうと思っていた。なのに、こんな形で、愛してしまうとはな…」








「よかったじゃない。そっちのほうが、意味があるわ」








後悔されたくない。こんなに幸せなんだから








「朱美…」








「罪は、みんな犯すものよ。大小はあるけどね…私だって、自分を偽って、男騙して貢がせた。これも立派な罪よ」








朱一の罪とは、レベルは違うかもしれないけれど、私だって、まともな人生を歩んでいるとは言えない。