ペテン師の恋

小指を絡めていると、朱一は力強く私を抱きしめた。








「どうして君は、思い通りにいかないんだ…」








朱一の切ない想いが、抱きしめられた温もりと一緒に伝わってきた。








「これ以上乱さないでくれ、離れられなくなる」








どうして?







私は、離れたくないのに。







「離れたくないよ…離さないで…」








私も強く朱一にしがみついた。








そして、唇を重ねた。何度も、お互いを求めあう。








そして、二人はベッドへ…








初めて、お互い素直になれた。







愛する人を求めあうこと…








その意味を今までわからなかった二人は








互いの肌にふれあうことで、全てが満たされた。








何度も名前を呼び合い








何度も唇を重ねる