朱一は後ろからついていっていたため、しっかり、見届けていた。








東京のニュースでやらなかったのは、県外だったから。








地元のニュースだけで、大きく取り上げられることはなく、ただの事故死として片付けられたのだ。








「殺しても、怒りはおさまらなくて、美里さんのことを調べた。そして、朱美の存在を知り、壊そうとした。徐々に苦しめてやろうと思っていたのにな…」









朱一の心の傷が、沁みてきて、私は涙を流した。









母を殺された怒りより、朱一の負った傷痕が、私を苦しくさせた。









「ごめん…なさい…」









私は無意識に、朱一に謝っていた。








朱一は驚き、目を丸くした。








「どうして、君が謝るんだ?親を殺されたんだぞ?」








わかってる。だけど、朱一を責める言葉は何も出てこない。