ペテン師の恋

家につき、朱一に前と同じ、ソファーに座ってもらった。







私は、二人分のココアを作り、テーブルに並べた。








「懐かしいな。初めて来た日と、今とじゃ、なんだか違う部屋みたいに感じる」







朱一は私の部屋を見渡してそう言った。







「そうね、あのころは、私もあなたを遠ざけようと何度も考えてた。結局、一度もそんなことできなかったけど」







いつも、気持ちとは裏腹に、朱一を探していた。








二人を静寂が包む。







朱一は何かを考えているかのように、再び複雑な表情をして固まっていた。








そんな朱一を見つめて、私は彼が話し出してくれるのを待っていた。








すると、朱一はゆっくり私に目線を合わせ、自然に近づいて唇を重ねた。







私は、体の力が抜け、全てを朱一に委ねていた。