ペテン師の恋

私と朱一はエレベーターに乗った。








一緒にエレベーター乗るのは、あの、初めてお店に来てくれた日以来だ。







あのときは、初めて男の心を読めなくて、自分のペースが乱されて戸惑っていた。







そして、彼を何度遠ざけようと意識したか







今思うと、私はただ、知らない感情の存在が怖かったのかもしれない。







認めてしまったら、私は私ではなくなってしまう気がしていた。







だけど、認めてしまった今は、とても世界がクリアにみえる。







モノクロにしか見えなかった視界を、朱一が色を見せてくれた。








鮮やかで、残酷さも含まれた、幸せな色。








あのころより、朱一もとても変わった。







優しくて、少しずつ、自分の話しもしてくれるようになった。








本当に、私たちは出逢ってまだ半年たらずなのに、いろいろな感情を知ることになったね。