美里は徐々に気持ちが落ち着き、少しずつ穏やかな表情になってきた。







「後悔はないよ。出逢いたかった人だと自信もっていえる。初めてこんなに誰かを想って苦しくなった、苦しいのに、嬉しいの。おかしいでしょ？」







とても、優しい顔をしている美里をみるのは、涼子でも初めてみる表情だった。







「美里、本当に幸せそうな顔してるね。そんなに素敵な人なら一回くらい会いたかったよ」






「あっ、私、勝手に涼子の連絡先書いちゃったから、きっと聖くるとおもう…」






涼子は思いもよらない言葉に、美里を二度見した。







「あんた、また勝手に…」







「涼子もきっと会いたがると思ってさ」







そういって、美里はおどけて見せた。






涼子は呆れ顔をしたが、次第に笑顔になった。







「しょうがないな。でも、私と縁切ったら怒るからね」







「そんなこと、するわけないでしょ」







二人は顔を見合わせて笑いあった。