ペテン師の恋

「大丈夫?家まで送ろうか?」



私は立て直し、少し彼と距離をあけた。



「すみません、大丈夫です」



「心配なんだ、こんな弱ってる女の子、ほっとけないだろ?夜も遅い」



ふだんなら、客でもない知らない男なんてシカトしていた。



だけど、私は彼の好意に甘え、家まで送ってもらうことにした。



今夜のことが怖いというのもあるが、彼との時間をもうすこし一緒に過ごしたいと、無意識に思っていた。