ペテン師の恋

朱一が来てくれた理由よりも、今は朱一に助かってもらいたい。






失いたくない…






自分が死ぬことよりも






朱一が死んでしまうほうが、凄く怖い。






「朱美、救急車くるまで…」






ママは、救急箱を持ってきて、傷口にガーゼをのせた。






少しでも、止血しなければいけない。






「ありがとう…ママ…」






ママの処置を見ていたら、少しだけ、気持ちが落ち着いた。






瑞希はさっきまでの狂気はなくなり、脱け殻のように座り込んだまま、一点を見つめていた。