ペテン師の恋

朱一は、さっきまでの複雑な思いを絶ちきったように、澄んだ瞳をしていた。






そして、はっきりとこういった。






「僕は、君を憎んでいるんだよ」









えっ…







朱一の言葉が理解できない。






朱一の瞳から、私を見る瞳からは憎しみが感じられないのに…






思いもよらない言葉に、私は言葉が出てこなかった。





朱一は、優しく私の頬を触り、偽りのない瞳でもう一度言った。





「ずっと、君を捜していた。母から父を奪った、憎い女の子供だから…」






母から父を奪った…





朱一の母は愛人に夫をとられて、自殺したことを聞いていた。





それが…






私の母…?