ペテン師の恋

少し躊躇ったが、話したいこともたくさんある。





私は、車に乗る前に朱一を睨み付け、車に乗った。





朱一は相変わらず、不適な笑みを浮かべていた。





そして、車を走らせた。





少しの間、沈黙が流れる。





その沈黙を破ったのは、朱一からだった。





「瑞希はね、僕のファンなんだ。本当に愛されていると思うなんて、哀れな女だよ」





瑞希を悪く言う朱一に、私は腹を立てるはずなのに、何故か安堵してしまっている自分がいる。





朱一が瑞希を抱いたのは、利用するために信じさせるためにした行為。





私だって、客を利用するために使う手口だ。





朱一が瑞希を愛していない。その真実が何故か、緊張して、張り詰めていたいたものを緩ませた。