じゃあ、逆にあたしのこと……知ってた? って聞きたいところだけど、知ってるはずないよね。 『知らない』って言われるのは分かってるけど、面と向かって言われるとやっぱりショックだもん。 聞いて傷付くくらいなら、聞かない方がいいよね。 すると、早川君は突然あたしの頭をガシガシと大きな手の平で撫でた。 「矢口花音(やぐちかのん)、もう携帯落とすんじゃねぇぞ」 「……へっ?」 今、矢口花音って言ったよね? ど、どうして!? どうして、早川君があたしの名前を知ってるの……!?