朝餉を食べ、のんびりとしていたときに
縁側でお茶を飲んでいる瑠偉を見つけた。
「る、…林」
「あ、斎藤さん。おはようございます」
「ああ…、おはよう」
心の中では「瑠偉」と呼べるのに
いざ言うとなると「林」と呼んでしまう。
どうしたものか…。
「ねぇ斎藤さん」
「ん?」
「試合、しません?」
「……良い、のか?林はいつも、試合するのをあまり好んでいなかっただろう?」
いつも、誘うのは俺からで
それが少し、寂しくもあった。
瑠偉は一口、茶を啜って
「勝ったり負けたり、って…案外悔しいもんですね」
試合は勝ち続けてなんぼでしょう、と言った。
「まぁ、だから試合しましょう」
そう言って微笑む瑠偉を見て
「ああ。…は、いや、…瑠偉。勝負しよう」
瑠偉は一瞬、名前呼びに驚いたらしいが
もう一度笑って言った。
「はい。負けませんから、はじめさん」
「……」
顔が赤くなったのは
言うまでもないだろう
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おまけ→