急いで屋上へ行くと、いつもの不良メンバーとたまにいた茶髪の男がいた。

嵐は俺を見るなり、中央へと引っ張る。

左に茶髪の男。

右に不良メンバー。

真ん中に俺。

何があっているのか、もしくは始まるのか全くわからないんだけど。


「いっちー。いっちーはどっちの味方?」

「何が?」

「伊織がうるさいんだよっ!」

「はぁ?俺はお前らのために言ってあげてるんだけど」


話によると、茶髪の男…伊織は不良メンバーに「授業に出ろ」と言っている。

一方で不良メンバーは「嫌だ」と。

そこでどうして俺が呼ばれなきゃいけないのかは謎だが。


「出席日数足りなくて進級できなくなるんだよ?いいわけ?」

「あたしは…別にいい!」

「つーか俺は他校だし」

「俺は伊織と別クラスだしな」

「海人は?」

「俺はね…うーん……」


津野の答えを待っているのか、皆の目線が集まっていた。

「うん」と一言、言うと左へと移動した。


「海人っ!?」

「だって伊織怒らせると恐いから。俺は出るよ。…たまにサボるかもだけど」

「さすが海人。話がわかる」

「いっちーも伊織の味方だよね?それとも嵐ちゃん達?」

「馬鹿いえ!いっちーは俺らの味方だっての!」


……来なきゃ良かった。

まじでどうでもいいし、なんで俺。

まぁ、話からしてどう考えても…


「伊織」

「えぇっ!?いっちーまで裏切んのかっ!?」

「さすがいっちー…?ですね」


裏切るってなんだ。

伊織はお前らのために言ってるんだし。