好きって気持ちは持ってるけど、今更どうしたらいいか分からない。


伝える機会も掴めない。


否、機会がなかったわけでもない。


だが、伝える勇気がなかった。


「北条先生…」


「どうした?」


「今日やる授業の事なんですけど…」


何か話したいと思っても、実習の相談しか出来ない。


教育実習生としては当たり前の事だが、女としては辛い。


そんな気持ちを押し込めて、今日も実習に励む。


「そんな細かい事一々気にするより…こっちの説明にもうちょっと力入れた方がいいかも。
毎年分からないって反応が返ってくる。」


「そうなんですか!?」


相談するのが遅かった。


準備に使える時間は少ない。