「侑希?」 ふわっと、私の肩に蓮士の手が乗る。 「……っは…」 息、と言っていいのか。 分からないけれど、私はやっと肺にたまった空気を外に送り出せた。 「大丈夫か?」 小さな、私にしか聞こえないくらいの声で蓮士が尋ねる。 …“暁斗さん”には聞こえているんだろうけれど。 蓮士の問いかけに一度だけうなずいて、再び“暁斗さん”に目を向ける。 深呼吸をしてから、口を開いた。 「…初めまして。侑希、といいます。」 彼は今度こそ両方の口角を上げてにやりと笑った。