驚いて振りむくと、そこには一人の男。



「勘弁してくれよ~」


頭をかきながら、そんなことを言う。



その男が、暁斗さんっていう、桜華のもとになるグループを作った人。




それから、俺は毎日暁斗さんのとこに通うようになった。



俺が掴みかかった女は、暁斗さんの女だった。


…暁斗さんは、認めなかったけど。


誰がどう見ても暁斗さんがその女を大事に思ってるのは明白だった。









「暁斗さん!」

「あ~?何だよ、陽斗?」



暁斗さんは、すごくおっとりしててあんまり執着心がない人だ。


人に対しても、ものに対しても。




“最強の男”っていうのは完全に暁斗さんのことだった。


喧嘩は、喧嘩にならない。



暁斗さんの一方的な攻撃だからだ。



それは、何人が一気にかかってきても変わらない。



暁斗さんは喧嘩しだすと止まらないからあんまりしたがらなかった。


でも、ホント最強。