「…んだ、てめぇ。」




俺はその見た目から、すぐに万引きするやつ、って思われやすかった。


だからその女もそう思ってんのかと思って。




…てか、俺万引きとかしたことなかったし。

今もないけど。







女は、俺がガンつけたのに眉ひとつ動かさなかった。



それがまた、俺の神経を逆撫でた。





「てめぇ、くそアマがぁ!」



俺、マジ餓鬼だったから。


女に掴みかかったんだ。




でも、それでも女はピクリとも表情を変えなかった。








女を殴ったこととかなかったし。


掴みかかったのはいいけど、どうすりゃいいか分かんなかった。







「おいおい、何してんだよ~」




そのとき、そんな声が俺にかけられた。