――カチャ 小さく音をたててドアが開く。 「はい、注目!」 ぺたりと笑みを貼り付けた嘉が入ってきた。 「ん、なんだ?嘉。」 「菓子でも買ってきたのか!?」 「……コーヒーの甘いのが飲みたい。」 「……すー…」 なんでまあ、こんなに自分勝手なのか。 嘉の綺麗に作られた笑みが崩れる。 それでもムカつきを押さえ込んだのか、嘉が口を開く。 「みんなに嬉しいお知らせがあるんだ。」 少しだけ、作られていない笑顔を垣間見せて次の言葉を落とした。 「陽斗さんが地元に帰ってくる。」