「海って、広いわね…」 夜の海は特に。 果てしない闇が続く―――私の歩む道のよう。 「でけえよな〜。流されたら、ひとたまりもねえよな。」 結都が私に答えるように言う。 「極道は死体を海に沈めるらしいぜ。」 思い出したように呟いて、私を見た。 「怖えよな?」 「……ええ。」 そんなこと、今でもしているのか。 この、現代でも。 ……私たちの世界では、有り得ないことだ。