「学校を休むわ。だから、城へも行けない。」 「……なんでだ?」 聞かれると思った。 私は、考えていた答えを口にする。 嘘では、ない。 「お墓参りに、行ってくるわ。」 名倉ルカという人は、明日が命日らしい。 だったら、明日行ったほうが良いだろう。 親が、頼んできたのだから。 「……墓参り?」 「ええ。知り合いの、命日なの。」 蓮士は一瞬眉を上げた。 でもすぐに、「なんかあったら電話しろ」と。 許可を出してくれた。