「いらっしゃい。
なにかお探しかな?」


扉を開けると、中から
人当たりのよさそうな
おじいちゃんが出てきた。

「えっと…。アパートを探してて…」

私は出来るだけ
今住んでいる所と同じような条件を並べてみた。


駅まで徒歩7分以内。
近くにはスーパーがあって。
出来れば交番とかが
近くにあると安心だし。
あ、あとはお風呂とトイレは別がいいかな。



おじいちゃんは
次々と出される条件に
嫌な顔ひとつせず、
むしろ素敵な笑顔で対応してくれた。



「それなら、オススメの所がひとつ、ありますよ」




全ての条件を出し終わった後
おじいちゃんは一枚の紙を私に差し出した。