「――好きです!」 「…え?」 ヘッドホンで音楽を聴きながら隣の棟にある1Aの教室に向かっていたら、いきなりそんな事を言われた。 …あ、なんかデジャヴ。 「私は1年D組の阿部 桜(アベ サクラ)です!あの、私と……付き合って下さいっ!」 「……」 そう言って、深く頭を下げる阿部。 「………ごめん」 俺は小さくそう返した。すると阿部は顔を上げて、「なんでですか…?」と残念そうに聞いてきた。 ……断る理由は、ただ一つ。