時刻は夕方の5時。
俺らは、久しぶりに浴衣を着ていた。



「佑希、まだ!?」

「早く行かないと射的なくなるって!!」



玄関で小さい子供のように騒ぐ旭と陽哉。

…あー、ウザいウザい。これだから祭りは嫌なんだよ。



「うるさいと祭りに行かねぇーぞ」

「「……」」



俺がそう言うと一瞬で静かになる2人。相変わらず簡単なヤツらだ。



「…あとちょっとだから樹に金でももらって来い」

「「あいあいさーっ!」」