万一、おまえが言った事が本当なら、あんな宿場街では、相当な噂になってるはずだ。

彼は、そういって、二人が戻るまでは、いかなる都にもでかけるなと釘をさす。

いわれなくても、そうするつもりだ。


もう、あそこへは
いかないつもりだ。


「ジル。ごめんなさい・・・。
迷惑をかけてしまって・・・。」

オリビアは俯く。

「オリビア、おまえは村の宝だ。
俺にとっては、娘でもあり、妹の忘れ形見でもあるんだ。」

こうやって、なんでも報告し、相談してこいと、彼は肩に手を乗せた。

「話は、それだけだよ。
戻っていい。」

彼は、オリビアの額に、軽くキスをして、歩みを促した。


見渡すかぎりの砂漠


空の切れ目から、もう、
砂の海が広がる。


その景色を眼にしながら、岩盤の頂きに足をむけた。