窓越しに身をのりだし、ディックは、自分を見上げる。

「お呼びになりましたか?覇王。」

「すまぬ。ディック。
アンジェラが、間もなくそちらへ行くと思う。」

皆まで言わずとも、優秀な臣下は、察した様子で、片手をあげ、言葉を絶つ。

「はいはい。お任せください。お来しの様ですので。」

ディックは、自分に敬礼を行い、姿を消した。


ふっと、笑みがもれる。


再び、オリビアに思いを馳せる。

明日

あの店に行けば、
彼女に、再び会えるだろうか?


もう一度、会いたい。
舞を見たい。


今日の、明日・・・で、ディックが外出許可を、だす見込は確率が低い。

間違いなく却下だろう。


無論、これまで同様、
やりたい様にするまでだ。


瞳にイタズラな光が宿った。