孤高の天使



「ラファエル様は……?」


ポツリと呟いた私にラファエルが「ん?」と優しく聞き返す。

今聞かなければ聞けない気がする……




「ラファエル様は本当に悪魔なの?」


言ってしまった後、ラファエルが距離を取る。

アメジストの瞳が見開き、驚きを露わにしている。

しかし、何か迷ったようなそぶりを見せ、慎重に口を開いた。




「何故そんなことを聞く。」

「ルーカスが自分たちのことを“堕天使”だって……」


私の言葉に表情を崩さずに聞くラファエル。

先ほどのような動揺はもうなかった。





「ラファエル様はどっち?」

「…………」


静かな部屋で沈黙が続く。

ラファエルは何も答えず、ただギリッと何かに耐えるように唇を噛みしめ眉を寄せた。




「ラファエル様……?」


そっと呼びかければ、ハッとするラファエル。

我に返ったラファエルはフッとこの場にふさわしくない笑みを見せた。




「イヴ…君はどっちだと思う?」

「え?」


問いに問いで返され戸惑う。