孤高の天使




「ラ…ナ……?」


薄暗い路地で見えにくかったが、光の粒子を纏うその姿は間違いなくラナの姿だった。




「ラナ、どうしてここに?」


見間違えるはずのない親友に呼びかけ、一歩近づけば…



バッ…―――――

ラナも一歩引き、無言で手の平を前にかざす。


近づくな――――

そう言っているようだった。





「どうして……私が分からない?イヴよ?」




バサッ……―――――


ラファエルにダメだと言われていたけれど…もどかしくて、遂には隠していた羽を広げた。

純白の4枚羽が広げ、ラナと対峙する。

これで分かってもらえる…そう思ったのに、ラナはピクリとも反応しない。




「ラナ……?」


不安になって、親友の名を小さく呼ぶ。



その時―――――


「イヴッ!」


後ろから聞こえた大きな声。

振り向けば、息を上げたルーカスの姿があった。

きっと細い路地だったから走ってきたのだろう。




「お前…いきなり走り出してどうしたんだッ…」


ハァハァと呼吸を整えながらそういうルーカス。