孤高の天使




「五分五分だと?」


緊迫した雰囲気に息を詰めていると、アザエルがフッと嘲笑を浮かべた。




「勘違いをしないでもらいたい。私と貴方には決定的な差があります」


口の端を持ち上げて笑うアザエルに嫌な予感を覚える。

それはチラリと視線がこちらに向いたことで確信に変わる。

灰色の瞳にゾクッと震えて動き出した時には既に遅かった。

背後から近づいた気配にハッと息を飲んだ瞬間、強い力に引きこまれる。




「やッ…あぁぁッ…!」


一瞬のうちにしてラファエルの背は遠ざかり、数メートルの距離があいた。



「イヴッ!」


突然の悲鳴に反応したラファエルは振り返り、その手を私の方に伸ばす。

そして、まるでそれを見計らったかのようにラファエルの背後に四枚羽の天使が現れる。

白いフードつきのマントを被った四枚羽の天使は音もなくラファエルに近づく。

おそらくアザエルの空間転移で転送されてきたのだろう、その影は一つではなかった。




「んんッ!!」


危険を知らせたいが、口を押えられ、叫び声はくぐもった声に変わる。




「今だ!」


アザエルの声にハッと目を見開いたラファエル。

進行方向に逆らい、咄嗟に体を翻すが、不意を突かれた体はすぐに反応できなかった。

四枚羽の天使は体を反らせたラファエルの横腹に剣の腹を打撃させ、よろめいたラファエルをもう一人の四枚羽の天使が拘束する。

そして、次々に空間転移してきた四枚羽の天使がラファエルを囲み、飛びかかった。