孤高の天使




『ラファエル様…』


それは無意識のことだった。

二人で闇に堕ちてしまえばいいと思いつつも、諦めきれない心が叫んだのは…

自分でも気づかないうちに思念で呼びかけていた。




すると…――――

ピクッ。

僅かだがラファエルの体が揺れ、反応を見せたように感じた。





『ラファエル様?』


ギュッと抱きついていた体を離し、ラファエルの顔をのぞき込み、深い眠りから呼び覚ますようにそっと囁きかける。

すると今度は確かにピクリと瞼が動いた。





「ッ…!」


ラファエルが反応したことに驚いた。

あんなに呼び続けても反応しなかったのに、何故今は反応したのだろうかと。

そして行き当たった答えにハッとする。




もしかして私の思念が届いた…?


一瞬疑ったがそれ以外思い当たる節はなかった。

思念がラファエル届いたのは間違いなさそうだが、ラファエルは眉間に皺を寄せるように眉をひそめ、どこか苦しそうな表情をしている。