孤高の天使




誰か…この声を聞いているなら誰でもいい…答えて!



漆黒の髪を背になびかせたその後ろ姿を思い浮かべながら心の中で叫ぶ。




私をラファエル様の元へ行かせて。


ここから出してッ……!!




心の中で叫んだ後、ギュッと閉じていた目を恐る恐る開く。

しかし返ってくる声などなく、水音以外は何も聞こえなかった。

少し期待していただけに自分への無力感がいつもより大きかった。




「やっぱりだめ…私にはそんな力なんてないんです」


グッと手を握り締め、神の視線から反らすように地面に視線を落とした。

何もできない自分が悔しくて、そんな私に期待してくれた神に申し訳なくて涙がじわりと込み上げる。

目じりに溜まって零れ落ちそうな涙を慌てて拭う。



こんなところで泣いていてもここから出られるわけではない。

泣いている暇があるなら自分の足で出口を探そう。

今までだってそうしてきたじゃない。

私はラファエル様を助けに行く、そう決めたのだから。



挫けそうな心を奮い立たせ俯いた顔を上げた時だった。




ドンッ―――――

空間を揺らすほどの鈍く重い音が聞こえた。

それは先ほどの地響きとは違い、とても近くで響いて聞こえた。



これは……ここ?


ノックしている様な鈍く重い音は外側からこの空間を揺さぶっている様だった。