孤高の天使



「あの闇は全てを無に返すもの。アザエルは貴方を利用してもう一度あの闇を発動させようとしているのです」


アザエルの企みを知って驚いたものの、今までの話を聞いていれば信じざるを得ない。



“天界も魔界も全てを滅ぼす”


あの言葉は決して虚言ではなかったのだ。

私が今こうして生きていられるのも、私でなければ再びあの闇を発動することが出来ないから。

そして、闇の発動はすなわち私の死を表す。

アザエルの事だからラファエルの目の前で私を滅するに違いない。

もう一度イヴを失ったとしたら、間違いなくあの過去よりも深い悲しみと闇を引き起こすだろう。





だとしたら私に出来ることはただ一つ。

グッと手を握り、神へ告げようと思った直後。




グラッ――――

ゴゴゴ…という地響きを立てながら地面が揺れた。

神は上を見上げ険しい表情をする。



「ラファエルが天界の結界を破ったようですね」


ここはやはり天界だったのだ。

そしてラファエル様はやっぱり天界へ来てしまったのね。

ラファエルがすぐ近くにいることに嬉しく思うも、それは同時にラファエルの危機が迫っていることでもある。




「私行かなきゃ……」


私がここにいてはいけない。

ここにいればいずれアザエルが私を迎えに来て、ラファエルの目の前で殺されることになる。

アザエルの思惑通りになってはならないのだ。