孤高の天使




『いッ…あぁぁぁッ!』


四枚羽の天使ですら数分ともたなかった魔剣に再び触れたイヴは甲高い声を上げて絶叫した。

ジュッという音とともに白煙が上がり、イヴは魔剣を持ったまま気を失うように地面に倒れ込んだ。




『イヴッ!』


ラファエルの焦ったような声がイヴの名を呼ぶ。

ぐったりと地面に横たわったイヴはその声にピクリと反応を見せた。

ラファエルはイヴがかろうじて無事であることに安堵したが、天使は更に告げる。





『起きろ』

『ッ……貴様…』


ラファエルが天使に向かって口を開くより前にイヴは魔剣に引きずりあげられるように起き上がった。

目を伏せてはぁはぁ…と乱れた呼吸を繰り返して消耗しきっているイヴ。

憔悴しきったイヴの姿を目の前に、ラファエルがギリッと口を噛みしめる。






『止めさせろ』



底冷えするような低い声が無音の湖に響く。

それは四人の天使に拘束されているラファエルから発せられたもので、聞く者を震え上がらせるほどの威厳と圧力を持っていた。

それは四人の天使たちにも伝わったようで、一瞬だがラファエルに対する“怯え”が顔に現れた。



ラファエルはその瞬間を逃しはしなかった。

拘束が緩んだその一瞬で大剣を持った右腕でイヴを操っていたであろう天使をなぎ払う。