そして、イヴに向けた柔らかな視線とは打って変わって鋭い視線を森の中へ向ける。
ゆらりと森の中から現れた者たちにその場にいた二人はもちろん、私も目を疑った。
「四枚羽の……天使?」
信じられない事に二人を襲ったのは天使だった。
しかも森から姿を現したのは一人だけではない。
ぞろぞろと出てきた四枚羽の天使は全員で四人。
皆虚ろな表情をして、異様な雰囲気を醸し出している。
『お前たち何者だ』
イヴを背にかばい、ラファエルは四人の天使を見据える。
低い声で向けられる言葉は鋭く、ピリピリと空気を震わせる。
しかし、天使たちは皆虚ろな表情を崩しもせず腰に携えた短剣に手を伸ばす。
『答えたくないか。ならば…』
ラファエルは六枚羽を具現化し、何もない空間から大剣を出現させた。
「あれは……」
見事な装飾がされたその大剣はラファエルの部屋の暖炉に飾られていたものだった。
『イヴ、君は離れて』
天使たちを見据えたままそう言ったラファエルにイヴは緊張の面持ちで頷いた後、ラファエルから距離を取った。
瞬間、ラファエルに向かって短剣が飛んできた。
そのスピードは凄まじく早かったが、正面から飛んできた短剣をいとも簡単に弾くラファエル。
ガンッと金属同士がぶつかる音が響き、短剣がラファエルの足元に落ちる。
『今度はこちらの番だ』
ラファエルは大剣の鞘を抜き、横に放り投げる。

