『私は神を憎んでなど…』
ミカエルの口から出たのは否定の言葉。
しかし―――――
『いや憎んでいる。神はいつも口を開けばラファエル、ラファエル…可愛い子ほど目にかけたいのでしょうね』
『ッ………』
たたみかける様にミカエルの秘められた心情を暴いていくアザエル。
感慨深く話す様は動揺しているミカエルの心の内に抑えていた不安や怒りをさらに煽った。
否、ミカエルはこの時歓喜に震えていたのかもしれない。
ラファエルという邪魔者を同じように邪険にする者が、自分の考えを理解してくれる者が現れたことに。
『時期神候補を選ぶために大天使を集めても、どうせ選ばれるのはラファエル。6枚羽のあの方に適う相手などいましょうか』
『そうだ……』
ボソリと低く呟くようにして出された声。
俯いたミカエルの背からは再びあの闇が浮かび上がる。
それは一瞬でミカエルの体を囲み、先ほどよりも濃く現れた。
あと一息だと判断したアザエルはミカエルの耳元で訴えかける様に言葉を投げかける。
『そんな彼が皆に慕われているのが憎い…目にかける神が憎いと思いませんか?』
『憎い……私はラファエルが…神が憎い…』
アザエルの問いかけに呼応するように声を絞り出すミカエル。
その後ろでアザエルは歪んだ笑みを浮かべていた。

