孤高の天使




ミカエルは眉間のしわを益々深くし、老天使はふぉっふぉと他人事のように笑っていた。

今のイヴの気持ちは私にも十分すぎるくらい分かる。

ラファエルは人目もはばからずにスキンシップを図ろうとする節があるから。

魔界に来たばかりの頃もハデスやネーナ、ルーカスの目の前で抱きしめられて、人の目は気になるが逃げられない状況に慌てたものだった。




『ラファエル後で神室に来るのです、いいですね?』

『……あぁ』


ラファエルは不服そうに声を上げ一言そう答えた。





『では席に着きなさい』


大天使の椅子に向かって左手を差し出し、にこやかに笑う神。

ラファエルはイヴを抱き上げ神座の右にある椅子に座らせ、自らはその右の椅子に座った。

ようやく大天使が揃い、神座に座る神が口を開く。





『さて、貴方たちを呼んだのは他でもありません』


先ほどの和やかな雰囲気から一変、神は重苦しい口調で話し始める。




『ラファエル、イヴ、ミカエル…そろそろもう一人の大天使を選ぶ時が来ました』


重々しく告げられた神の言葉に空気が一変する。





『神様……』


息を吐くように弱々しく言葉を発したイヴ。

イヴだけでなく皆あからさまに表情に出さなくとも僅かに動揺している様子だった。

しかし、端から見ていた私は違和感を覚えていた。