孤高の天使




『なにより…大天使にならなかったらラファエル様と出逢う事はなかったから』

『イヴ…』


言い終わった後にカァ…と頬を僅かに赤く染めて視線を逸らすイヴ。

対するラファエルはミカエルに向けていた険しい表情から一変して蕩ける様な笑みを浮かべる。




『わ、私が言いたかったのはそれだけです』


言うだけ言って頬にあてていた手をパッと離して引っ込めようとするイヴ。

ラファエルは逃げる手を追って掴み、引き寄せた。



グイッ…――――

何の前振りもなく引っ張られたイヴは声を上げる間もなくラファエルの腕の中に抱き込まれた。




『そうだな…好きで大天使になったわけじゃないが君と出逢うためにこの地位に就いたと思えば貴くも思う』


ラファエルは人目もはばからず腕の中であわあわと慌てるイヴの頭に口づけを落とす。

そしてイヴの絹糸のような髪に長い指を差し入れ、愛おしそうに撫でる。

最早そこには二人だけの世界が出来ていた。

正確には周りが唖然としていただけなのだが。

そこにパンパンと手を叩く音が割って入る。




『そこまでにしておきなさい。イヴが目を回していますよ』

呆れたような声で告げたのは神だった。