孤高の天使




『俺は俺が信じる者にしか跪かない』


悠然と言い放ったラファエルにミカエルが激高する。




『貴様ッ!』

『いいのですミカエル。それよりも今回の発端はなんです』


すかさず神がミカエルを制し頭を抱えながら問う。



『大天使としての務めを怠けているラファエルをたしなめておりました』

『俺は好きで大天使になったわけではない』


怒りを抑えて話すミカエルは神へ告げる。

しかしラファエルはミカエルを逆なでするばかりだった。

誰もがまたミカエルの怒号が飛ぶと思われたその瞬間、思わぬ人物が仲裁に入った。




『ラファエル様』


静かに立ち上がりラファエルの目の前に来たのはイヴだった。

その白く細い手で背の高いラファエルの頬を包み、優しい微笑を浮かべながら口を開く。




『そんなことを言っちゃだめでしょう』


イヴに頬を包まれたラファエルは驚きに目を見開いた。

ラファエルは『だが…』と口を開こうとするが、それさえもイヴがラファエルの唇に指を添えて止めてしまう。




『大天使に選ばれることはとても誇れることなの。私だって大天使に任命された時は不安で、任された役を降りてしまいたいと思った時もあったけど、大天使になってからはいろんなことを任せてもらえるようになったし…』


思い出すように話すイヴは一旦話を切る。

そしてはにかむような笑顔を見せて続けた。