『イヴにあたるのは違うんじゃないかミカエル』
口を開いたラファエルにミカエルがピクリと反応を見せ、ラファエルたちの方へ視線を向ける。
対するラファエルは睨むようなミカエルの視線を気にすることなく、頭を下げたままのイヴの腕を取り持ち上げる。
イヴは戸惑いながらも体を起こしてラファエルを見上げた。
するとミカエルは『そうだな…』と口を開く。
『もとはと言えば上位天使の居住区にいなかったお前のせいだ。ふらふらと出歩くのもほどほどにしてほしいものだな』
『俺の勝手だ』
冷ややかな言葉の裏で火花が散る。
ミカエルはイヴの事をあまり良く思っていない節があるが、ラファエルに対してはそれ以上のものを感じた。
睨みあうミカエルとラファエル、そしてその間でおろおろとしているイヴと静観している老天使。
そしてミカエルが口を開きかけた時。
『騒々しいですね』
凛とした、けれど柔らかな声が神殿に響く。
突然割って入った声に一同は一斉に神座を見た。
するとそこにはいつの間にか中央の椅子“神座”に座る六枚羽の天使がいた。
見事な金髪は地面を引きずるほど長く、その肢体は細くしなやかな曲線を描いている。
あれはまさか…と思って少女を見る。
そう、神座に座っていも分かるほどすらりと高い身長を覗けばこの少女とうり二つ。
少女が成長すればおのずとこのような女性になるのだろうというそのままが目の前にあった。

