孤高の天使




ズキッ……――――

自分が拒絶されていると同じ状況に胸が痛んだ。




「俺が決断するその時まで待ってくれと言っただろう?」


その問いにアメリアは疑問符を浮かべる。

私の正体が天使だと言うことは知り得たけど、ラファエル様が私を天界へ帰そうとしてくれていたことまでは知らなかったのだろう。

アメリアは慎重に言葉を選びながら口を開いた。





「決断してくださいましたか?」


事の真核に触れず、無難な言葉を返すアメリア。

これにはラファエル様も気づかなかった。




「………」


そればかりか眉を寄せて、口を堅く結ぶ。




ずっと…迷ってくれていたんだ…

私を天界へ帰すか否か。

それほどに“イヴ”は手離したくない存在だから?




「こうして君がここに来なければ、君を天界へ帰す決断が出来ていたかもしれない」


苦しそうに言葉を紡ぎだすラファエルに、ピクリとアメリアが反応する。

きっと今のやり取りで大体の予想はついたはず。