それからあっという間に時はすぎ、 私たちは卒業した。 皆が目を真っ赤にして泣きながら学校に別れを告げているなか、 私と奈菜は笑いながら校門を出た。 だって私たちにとっての 本当の別れはまだ先だから。 友達とはまだたくさん会う約束をしているし、 また明日から部活があるから学校にはまだ通う。 だからまだ卒業ということを実感していなかった。 私たちは“卒業”の二文字を 実感できないまま 校門をでたんだ。