「これから部活だから」 「あ、はい。 頑張ってください」 僕は大人になりたくない。 繋げなくなった手を見てますます思う。 これから増えていく制限は、僕と千湖が、男と女だからで。 だから恋して、だから制限時間がある。 「……泣けば?」 「……誰がっ!」 “誰が泣くもんか” プライドは高くなったのに、それに似合う涙腺してないでしょ。 学校に着いても我慢して、あの子の言葉を何度も何度も思い返してるのか、千湖の涙は退かない。