表情は、目だし帽のせいで見えないはずなのに、なぜか私には、微笑んだように見えたのだ。


『ヒッ……』


後退りしようとしてもなぜか体がいうことを聞かない。


私は、あっという間に、口元に何か湿った布を押しつけられ、鳩尾あたりにパンチを一発くらった。



薄れゆく記憶の中で、私の耳元でその男は


『つ〜かまえた……』



そう言ったんだ。