『そんなに驚くとは思わなかったんだよ〜ごめん、ごめん夏美!』


私と同じ目線までしゃがみ、頭をポンポンと叩く。


私は、ムクれながらも立ち上がり


『もうこんな事しないでよっ!本当に怖かったんだから!』


『わかったって〜ごめんよ、機嫌直して……なっ?』


さっきとは違う力強さで、優しく私を抱きしめる礼二。


彼の香りが、緊張していた私の心を溶かしてゆく。