振り上げられた腕が微かに震えていた。


『リサ……さん?』



『うわぁぁぁ−!!あああああ−!』


声の限りに叫んだあと、リサの手から包丁がゴトリと床に落ちた。


『うっ……うっ……うっ……』


リサは床につっぷして泣き出した。


こんなに感情的な彼女を見たのは後にも先にもはじめてだった。


『リサさ……ん……』