夢の始まりと聞いてもそこは今までいた夢の裏側と変わらなかった。


「夢を見るってここで?」


表の……もう少し夢っぽい所に移動させられるかと思った。


「俺はこの部屋にいることしか出来ないから……。安心しろ。ここにいてもさめる時間になれば……勝手に目が覚める」


獏の話は少し矛盾していた。


「さっき夢を見ないとって」


夢を見ないと……レム催眠をしないとまずいのではないのではないか。


「それは一般的な話だ。例外もある」
「何でも……あり?」
「それが夢の世界だ。裏も表も関係なく」



獏はそれが当たり前とでも言うかのように、淡々と何のためらいもなく話した。