闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》


「捨てられたのか、ほんとに忘れちゃったのか…… 」


「…… 」


自分の言葉に、余計に落ち込んだ。




「何があったか、知らない……? 」


私はすがるような目でダークを見た。


今私に出来ることは、こうして彼のことを尋ねること。


どうしたらいいのか分からないから、自分が思うようにしか動けない。


無力すぎて情けない。




「……まだ好きなんだ? あいつのこと 」


「…… 」



小さく頷くと、ダークの口からため息のような空気がこぼれた。


「この状況でも? 」




「きっと、好きだから、つらいのかも。この状況が 」


好きじゃなかったら、こんなに苦しくないはず。


もう何とも思ってなかったら、こんな気持ちにはなってないよ。


「……まだ探してるのかもしれない 」


ダークが俯き加減に呟いた。


「何を? 」