しばらく無言のまま森を歩き、外の世界へと出た。
すぐ近くに、前訪れた小屋が目に入った。
「この先が家だ 」
そう彼女が向かう先に、小さな家があった。
「あれ、あそこは家じゃなかったの? 」
通り過ぎようとする小屋を指差した。
「あそこは隠れ家でこっちが本当の家だ 」
家の前で足を止めると、小さなドアを開けた。
中はこじんまりとしているが、温かい雰囲気だった。
「どうして、家に呼んでくれたの? 」
「兄さんが、あんたに会いたがってた 」
ダークが……私に?
なんだか嬉しくて、頬が少し緩む。
「それより、大丈夫なのか? 風の噂によると、あのヴァンパイア一族……戻ってきたみたいだな 」
ピクッと体が反応して、表情が強張った。
“ヴァンパイア一族”って、ルキアの事だよね。
大丈夫って……どういう意味?
「話はそこまでだ 」



