「ふむふむ、吸血鬼ってニンニクも十字架もダメだと思ってたけど大丈夫なんだ 」
「知らなかった? 」
「ギャァッ! 」
突然の声にびっくりしすぎて、思わず変な声を上げた。
ル、ルキア!
「こんなところで何の勉強? 」
そうチラリと手の本に視線を落とす。
「べ、別に! ちょっと…ね 」
声を裏返らせながら、あたふたと言葉を濁らせる。
「ヴァンパイアに興味でもあるの? 」
そう意地悪な表情を浮かべて、私の前に立つ。
「た、たまたま……読書感想文にいいかな…と 」
うわぁ~、最悪だ。
もっとマシな言い訳なかったのかね。
「それより、何か用…? 」
もうその話に触れて欲しくないと言うように、すぐに質問を問い掛けた。
「これ、渡そうと思って 」
そう1枚の赤い封筒を差し出された。



