翌朝、早く家を出た私はすぐに図書館へ足を運んだ。
奥の方にある、ちょっとマニアック的な本棚を物色する。
えーっと、き、き……
あった。
『吸血鬼』というシンプルなタイトルの背表紙を見つけると、1冊取り出した。
その辺りを指でなぞりながら見ていくと、『ヴァンパイア レスタト』とか『バンピール』などヴァンパイアに関する本を見つけては手を伸ばした。
「4冊か…意外と多かったな 」
どれも決して明るい内容ではなさそうな雰囲気。
ちょっとくらい勉強しないとね。
近くにあった踏み台に3冊を置くと、本棚に背をもたれさせて『吸血鬼』という本を開いた。
「なになに、霧や煙りになって移動出来るの? よく鍵穴から他人の家に侵入する?! 」
へぇー!
あ、だからルキアの家は鍵穴がなかったんだ。
敵の侵入を防ぐためか。



